UP | データ | 評価 | |||||||
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29 | 2004.12.12 |
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専門家の言うことが常に正しいわけではない。どのような分野の問題であれ、それは同じである。パオロ・マッツァリーノさんのスタンダード 反社会学講座というサイトでは社会学者達の撒き散らす出鱈目について面白おかしく、おまけに考えさせるように書いてある。このようなことを、もうちょっと真面目な視点から取り上げているのが本書、トンデモ科学の見破りかたである。
本書で取り上げられている、トンデモかも知れないし本当かも知れない9つの奇説は以下の通り。
銃を普及させれば犯罪率は低下する
エイズの原因がHIVというのは嘘
紫外線は体にいいことの方が多い
放射線も微量なら浴びた方がいい
太陽系には遠くにもう一つ太陽がある
石油、石炭、天然ガスは生物起源ではない
未来へも過去へも時間旅行は可能である
光より速い粒子「タキオン」は存在する
「宇宙の始まりはビッグバン」は間違い
それぞれの説に対して、なぜその仮説が正しいのか、あるいは間違っているかを懇切丁寧に調べることで、どのようにして仮説の正しさを証明して行けばいいのかを説いている。上記9つの奇説のうち、一部のものは正しいと思われ、また一部のものは間違っていると思われるが、その結論をどのように導いているのかを知ることはただ単にその仮説の当否を知ることよりも重要である。結論しか知らなければ一つの知識を得たに過ぎないが、考え方を知れば他の問題に対してもそれを当てはめることができるから、である。
その上、この本は読みものとしても面白いのが素晴らしいところである。時には私自身の思い込みも間違っていたことを指摘されて目から鱗が落ちたり、また結論は正しく知っていてもその間の考え方が抜けていることを気付かせてくれたりと、読んでいて知的な興奮を覚えさせれられたものである。9つの奇説の中に一つでも興味をそそられたものが含まれているのであれば、読んで損は無いと言える。
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