2004.1.26
大麻について


 私のこよなく愛するアート・ガーファンクルがマリファナ所持で逮捕された。真っ先に思ったのは、アーティってばまだやってたの!?だった。と言うわけで、大麻について、である。『毒草を食べてみた』/植松 黎/文芸春秋/2000.4/\690によると、大麻には薬理効果としては麻薬作用、精神錯乱、譫妄があり、葉の部分がマリファナ言われて使用されるとのこと。薬効成分はテトラヒドロカンナビノール(THC)であるが、日本は古来より麻による陶酔感をアサ酔いとして忌んで来たため現在日本にある種は品種改良してほとんど薬効成分を含まないものだという。

 そんなマリファナであるが、ジョゼフ・モレラ、パトリシア・バーレイによる『サイモンとガーファンクル』(主婦の友社;絶版)によると、1967年の記述としてこのようなことが書かれている。

 ポールもアートも、もう何年もマリファナを吸っていた。(略)彼らは十代の頃からドラッグ が日常化しているプロの音楽の世界にどっぷり浸かってきていた。ドラッグはアメリカのあらゆ る社会階層に浸透し、ポールとアートのドラッグの使用や試みは、彼らの若い年齢層とペースを 合わせるかのようにエスカレートしていった。
(同書p107より)

 清潔感のあるグループとして売っていた彼らがドラッグを使用していたというのはなんとも意外な感もあるがそれだけ社会に浸透していたということを前提に考えなければならないのであろう。今回のことに関しては、是非を云々するのは彼個人とその家族である、というのが一義的な問題であるが、これによって来日などの予定がダメになる、などした場合にはファンに一言あっても良いかな、とも思う。いずれにしても、それは先の話であろうが。

 いろいろ見比べてみたが、警察のサイトでは大麻の害はおどろおどろしい文章で彩られているが、アルコールと同程度レベルの影響を受ける。一方で、医療大麻を考える会などはQ&Aで嗜好目的の使用には関知しないと断りつつも大麻に害がなく、医療目的としては有用な面もあるため少なくとも医療目的では解禁すべきであると指摘している。

 この大麻の禁止であるが、アメリカによる占領時の押し付けが原因のようだ。そのアメリカでは、大麻を市場から抹殺することで林業と合成繊維業界を活性化するために制定された法律が、やがて人種的偏見を煽るキャンペーンによって変質した結果として禁止されていると言う。その後ヨーロッパもそれに従わされるが麻の持つ経済的理由(薬理作用ではなく)によりなし崩し的に解禁されていったようだ。

 大麻の作用は古来から知られており、三国時代の華陀は麻酔薬として使用していたという話もある。また、麻薬を使って恐怖感を麻痺させた暗殺者を使っていたという十字軍時代の暗殺者集団が知られているが、ここで使用されたのは大麻由来のハシシュと呼ばれるものだった。この暗殺集団;アサシン派から現在のイスラーム過激派までを簡単に、そして冷静に書かれているコラムもあるので是非どうぞ。

 総じて見るとさして害は無い、という印象を受ける。もっとも、何を罪とするかは最終的には立法機関で決めるものであり、そこで罪とすると認定してしまっている以上言い逃れは出来ないというのは筋の通った話ではある。例えて言えばスピード違反と同じようなものであろう。

 本当は2,3時間ほど調べものして書いていたのがPCが固まったため失われたので気の抜けた短い文章になりました。皆さん、文書の保存は定期的に!(分かってたのに・・・)




   


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