2004.7.21

過去の話はこちらからどうぞ。

出発前夜〜ロンドン到着   2日目 ロンドン観光   3日目 大英博物館



4日目 大英博物館

 この日の夢は、高校時代の友人たちとスキーに行く夢だった。車の中で大英博物館の思い出を滔々と語るわたくし。しかし、夢の中で、自然史博物館のことが思い出せないことからこれは夢だと悟る。寒がりでスキーに行かないと分かりきっているヤツも一緒に居たし。こういったあたり、夢の中でも自分らしい。で、どうせ夢なら移動時間をすっ飛ばしてスキーをしている最中にしてしまおうと思ったら、どういうわけか今度は場面は会社に。しかも、後輩の女の子が会社を辞めるとか、男の開発中の案件で試作を手伝って欲しいとかかなりリアルな内容でいやんな感じである。

 昨日慣れない靴で歩き回ったため足が疲れていたので、今日は地下鉄で行きたいという嫁さんの希望に飛びつき、電車にのる。ロンドンの地下鉄は乗り越し清算ができなくて、乗り過ごしたら10ポンド(2000円くらい)の罰金といわれ、なにやら不条理な感じを受ける。こっちのヒトは寝過ごすのもできなくて可愛そうだ。電車の中は移動できないみたいで、車両の継ぎ手には移動は緊急時のみという警告が出ている。色々勝手が違うのであるなぁ。

 そんなこんなで大英博物館に到着、嫁さんの見ていないイスラムコーナーから回り始める。前にも書いたが、食器、武具など実に見事な装飾であった。特に皿の青が実に深く心が吸い込まれるような色をしている。写真では表現できないのが本当に残念である。皿には模様はあれど、絵は描かれていなかった。

 左上:青をあしらった水差し、右上:宝石の埋め込まれたベルト、左下:ナイフ、右下:宝剣


 この後、韓国コーナーを回る。春秋(孔子が編んだとされる歴史書)とか、面白そうなものがあるもののイギリスの植民地になったことが無いため全体的に量が少ない。嫁さんはここを見終わった時点で疲れたと言って食事に行き、私は昨日に引き続き食事の時間が勿体無いので見物を続行する。

 昨日見ていないコーナーを回る。恐るべきことに昨日丸1日回ったというのに、まだ足を踏み入れていない部屋があったのだ。公開時間の制限があるところで、閉められてしまったり、見逃していた部屋をこのまま見逃すわけには行かないのだ。まず、エジプト関係で地下の展示室を見て回る。ここがまた石版の多いこと。日本だと見逃した展示物だけで十分エジプト展の特集が組めそうなくらい。量は兎も角種類はさすがに少なかったが。

 次は昨日目前まで行って入れなかったヨーロッパコーナー。ここもまたあるわあるわ。宝飾品、皿の数々。ヨーロッパの場合には偶像崇拝に対する排斥がイスラムほど強くないためか、皿に絵が描かれているものが圧倒的であった。
 上:クロスボウ 下:皿


 皿に見える蛇は立体構造になってて盛り上がっている。ここに盛られたら食べづらいことこの上なかろう。ということは、装飾用途だったのかもしれない。

 中にはなにやらここにあると違和感のあるような展示物も。
 左:ナポレオンのデスマスク 右:印籠

 デスマスクはあったが、頼朝公ご幼少のみぎりのしゃれこうべはさすがに無かった。あったら落語だし。

 もっと奥に進むと、時計や銃のコレクションがあった。この時計が、振り子の単純なものからなにがどなっているのやらさっぱり分からない複雑極まりないものまで色々あって目を奪われる。なんとういか、未来の時計、という感じである。いや、過去のだけど。こういう時計一つに異様に凝れるだけの余裕が(あるところには)あったのだと感心する。
 左:時計 右:銃


 左の時計は、ボールの運動を利用したもので、分かり易かったためか大勢の人に囲まれていた。金ぴかででかくて複雑で精巧ときたら誰もが目を奪われるかもしれない。右は、うーん、多分大英博物館を作るにあたって必須だった道具かも。。。

 ここは嫁さんも見たいだろうからと、昼に合流してコーラを飲んだ後で再度訪れる。彼女も気に入った模様であったが、この機械のロマンには私ほど心を動かされなかった模様。どうせ電池で動くものに弱いさ。男だもの(み×お)。

 ここを見たら嫁さんは買い物に姿を消す。4時に入り口で待ち合わせなので、もう残った時間はわずかしかない、とばかりに何度も気に入ったコーナーを見返す。中東コーナーでは、有名な古代の神殿に描かれた壁画(左)や今で言うところの印鑑に相当する、手紙に用いた封などは日本でも見たことがあるけど何度見ても飽きない。


 お金のコーナーではハリー・ポッターの記念コインを発見した。絵がアメコミ調で、日本の絵はやはり上手いのであるなあと思わされる。


 アフリカコーナーで、なにやらPure Naturalなどと書かれたダンボール細工発見。Tシャツで意味の無い英文が載っているような感じで、飾りの一環だったのだろうか。なんにしてもちょっと浮いている感じであった。

 そして、これだけ色々なものがあるのだったら、アレがあってもおかしくないんじゃないかな?と思い至る。
 きっとあるさ。

 確か、昔貴族の間ではこれが流行ったって聞いているから。これだけ色々なものがあって、アレが無いわけが無い。

 そう思って探しに探した結果、ありましたよ。
 アレ。

 すなわち、人魚のミイラ
 勿論人魚もモデルと言われるジュゴンのミイラなんてつまらないものじゃない。大体において、ジュゴンは人魚に似ていないではないか。元が似ていないのだから、ミイラになっても似ていないのは当然である。まあとにかく、ここにあるのはそんなチンケなものじゃないのだ。







 これが人魚のミイラである。ヨーロッパでセンセーションを巻き起こした、幻の逸品。

 当然のことながら、本物のミイラじゃない。上半身がサル、下半身がコイの合成品である。メイド・イン・ジャパン。アンデルセンの童話に出てくるような人魚をイメージしていたヨーロッパ人を幻想から叩き起こした挙句に金持ちの間で流行したというが、こんなもん流行させるなよ。なんというか、作ったのが手先の器用な日本人らしく、間近で見ても繋ぎ目が殆ど分からないという。そんなところにまで凝るなと言いたくもなるが、それが職人魂なのだろう。定番の観光土産だったに違いあるまい。

 そんな感じで館内を徘徊しているうちに時は流れ、あっという間に4時になってしまった。嫁さんと合流して、人魚を見せた後(悪趣味)、友人がお土産に指定した紅茶屋で紅茶を買い込む。その間に、私は電気屋でメモリの買い足し。写真取り捲っていたらメモリがなくなってしまったのだった。大容量のメモリが必須なので怠りなきよう・・・

 ちょっとだけコヴェント・ガーデンの方に戻ってパブ兼レストランに入る。折角のイギリス旅行なのでステーキを頂く。やっぱり肉を焼いただけ。でも、噂で聞くほど肉が固くなく、塩コショウを振れば美味しく頂ける。スタウトビールと、〆のギネスで満足だった。

 食後、ここからさして遠くないところにハリー・ポッターのグリンゴッツ銀行の撮影に使われたオーストラリアハウスがあるので見物に赴く。


 アルバート博物館は展示は終わっていたものの庭は見物可能だったので噴水を眺めて、帰ってくる。このころには二日間立ちっぱなし、歩きっぱなしだった足はかなり悲鳴を上げていて、腰痛も出始めていた。足の疲れを取るとか、腰痛対策とか、そういうのが必要な人は準備した方が良いだろう。

 薬局はあるのできちんと探せる人は良いかも知れないけど。

 翌日に続く。



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