2004.8.8

過去の話はこちらからどうぞ。

出発前夜〜ロンドン到着   2日目 ロンドン観光   3日目 大英博物館   4日目 大英博物館



5日目 自然史博物館

 大英博物館に並んで行きたかったのが自然史博物館。リチャード・フォーティの『生命40億年全史』にも書かれている馬鹿でかい恐竜の化石。なんともそそられるではないか。

 そんなわけで、今日はツアーの申し込みのときに貰った地下鉄1日券をつかってお出かけ。駅をでてからちょっと迷ったのは秘密である。大英博物館もでかかったけど、ここもデカい。鯨の標本が実物大でおいてあるというだけのことはある。



 建物もでかいし、おまけに綺麗である。ここも大英博物館と同じく入館無料だったが、楽しませてもらうのだからと二人で10ポンド寄付して、と書くのが筋なんだろうけど、寄付用の箱より先に目に入るのがこいつ。


 ディプロドクスでかすぎ。一番の目玉が入ってすぐのところにあるという気前のよさに、知ってはいても度肝を抜かれるものである。やはりサイズは偉大だ。これが最も古いプランクトンの化石だったらインパクト無いだろうな。

 このディプロドクスに関してはリチャード・フォーティの名著生命40億年全史に大変面白い話が載っているので恐竜にちょっとでも興味がある人は是非とも読んで見て欲しい。と言っても恐竜が出てくるのは本書のずっと後の方なのだけど。

 なんにしても、見るべきポイントは、恐竜が全体的に水平方向に長く配置されていることだ。昔は重い体重を支えるために水中に住み、首だけを水から出して水草を食べていた鈍重な生物だったのではないかなどと言われていたのだが、近年の研究から尻尾をぶんぶん振り回してリズミカルに歩き回るが、血圧の関係から首をあまり高くは上げていなかったであろうということが分かってきて、展示されているかの恐竜の姿も変えられたそうである。

 姿勢を変える前には尻尾の先が丁度手の高さだったため毎日のように先っぽが来客に持っていかれていたのが体勢の変化に伴って、尻尾の先が手の届かない位置に上がったため盗まれることは無くなったそうである。見てみると、確かに手が届かない距離であった。



 そして恐竜コーナーへ突き進む。アルバートサウルスとアロサウルスについてはすでに写真をUPしているが、再度。


アルバートサウ ルス



アロサウルス

 やはり肉食恐竜は迫力がある。草食恐竜はそのサイズや角などの外見が面白い。イグアノドン、トリケラトプスなど有名どころが全身骨格で並んでいるのだからもう垂涎である。貴重な始祖鳥の化石も惜しげもなく展示してある。



 見て回っているとき、外国人(って、ここでは我々が外国人だ)のおばちゃんに「写真撮ってあげようか?」と聞かれたので、恐竜をバックに二人で並んで撮ってもらう。ありがとう、おばちゃん。カメラを構えているとフレームに入らないように止まってくれたりと、こちらのヒトもとても親切である。


 おまけ。ジュラシック・パークっぽいアロサウルス。

 恐竜コーナーを見たら、次は哺乳類コーナーへ。ここは現生の動物が展示してあるわけであるが、とりわけ巨大なものばかり展示してあるので迫力がある。大体、シロナガスクジラの剥製なんてよくまあ設置しようと思ったものである。



 クジラ、象、カバなど巨大哺乳類を見終わったため、次は地球コーナーに。ここにはベスビオ火山や阪神大震災の遺物が展示されていて、その破壊力の凄まじさを伝えようとしているのであるが、ロンドンの真ん中で日本のノボリを見るのはなにやらシュールな感じがしたものである。なにもロンドンでスーパードライのポスターとか見なくても・・・。地震コーナーでは震度4位の体感ができるようになっていたが、我々にはごく普通の地震に思えて、「おお、ちょっと揺れて居るなぁ」くらいにしか感じなかった。欧米人はこれで「すげぇ、揺れてるぜ」ということになるのであろうか。なお、展示品に、震災によって振ってきた瓦礫に押しつぶされた車が展示されていたのであるが、選りにもよって三菱車だったのには笑った。


 時事ネタに敏感である(違うぞ)。イギリスには火山も無ければ地震も無いので切迫感はないのであろうが、このように展示で破壊力の凄まじさを伝えようとする努力は素晴らしい。

 ここには波によって砂に模様ができる様子を見ることができる簡易的な装置などが置いてあったが、この手のものは日本の科学博物館にもあるようなもので、やはりこのレベルのものは大した差が無い。自分が子供のころには詰まらないと思っていたけど(苦笑)。

 嫁さんが疲れたというのでお茶を飲みに行く。いや、飲んだのはジュースなんだけど。で、嫁さんは恐竜も見たことだし、ハロッズに行ってアフタヌーンティーをしてみたいというが、私はお茶なら家でも飲めるからここに残りたい。そんなわけで、またまた別行動で、結局私はこの日も昼食をとらずに歩き回ることにした。

 地球コーナーとの通路には古代の化石がいくつも展示されていた。特筆すべきなのはその魚竜の数の多さであろう。なにしろ、壁一面にイクチオサウルスとプレシオサウルスである。



 写真はプレシオサウルス。

 その横にはその昔アメリカ大陸に居た、巨大ナマケモノ類の化石(メガテリウムかな?)があった。社会科見学かなにかで来ていた小学生に、先生と見られる女性が
 「これはダイナソーじゃ無いのよ。ダイナソーじゃないの。」
 と説明している横から
 「恐竜だ恐竜だ」
 と騒ぐ児童たち。先生は大変だ。



 巨大ナマケモノ。私がこの化石を始めてみたのは幼少のころ、帰省する日に上野から出発する夜行列車に乗る前に博物館で見た時である。親の耐えざる努力の甲斐なく今こうしてダメ人間であるわけであるが、才能さえあればスティーブン・ジェイ・グールドになれたかも知れない。

 それは兎も角、その通路からちょっと脇に入る通路にはもっと小さい化石が展示されていた。三葉虫とかアンモナイトといった、地味ではあるが興味をそそられるようなものが大量に転がっている。転がってるわけじゃないけど。



 三葉虫の化石。

 その後は海洋コーナーを回って、珊瑚だとか貝だとか(これがまた大量にある)を見て周り、時たま写真を撮っていると黒人の子供が興味津々といった様子でカメラを覗き込んでくる。「撮ってみるかい?」と聞いてみたが、はにかんだ笑みを浮かべるだけで手に取って見ようとはしなかった。どこに行っても男の子は機械が好きなものなのであろう。

 次いで本館2階の鉱物コーナーへ。部屋に入ると、一面に展示テーブルがずらーーーーーーーーっと並んでいて壮観である。とてもじゃないが全部ゆっくりは見られない。キラキラした綺麗な石が所狭しと並べられていて、石の名前と化学式が書いてある。化学式がきちんと載っているところにちょっと感動。その奥には隕石コーナーだが、当然超巨大隕石なんてあるわけも無く、これに関しては特にすごいというものではなかった。一見の価値はあるけど、日本でも見られるレベルだと思う。

 未探査のところを探して歩き回っていると、標本コーナーがあるようだ。本格的な公開は2007年ということであるが、一部は展示されていた。みるとなにやら怪しげな生物が謎の液体(多分ホルマリン)に漬かって浮いたり沈んだりしている。探検ツアーが出ているようで、それに参加したら未公開のものも見られるようなので興味がある人は参加して見ても良いかも知れない。

 一通り見終わったが時間が1時間ほど余ったため、隣のヴィクトリア&アルバート博物館に繰り出す。ここにも呆れるくらい大量のコレクションが転がっている。とてもじゃないが全部は見切れない。皿、絵、彫刻、家具と猛烈な勢いで見て周り、途中で挫折した。ここも1日無ければ見てられない。

 もう一度自然史博物館に戻って、恐竜コーナーを再度まわる。見終わって外に出ると嫁さんが座っているのが見えたので、合流。なにやらアフタヌーンティーのそのボリュームに圧倒されたとのこと。どうせなら、ということで、ハリー・ポッターの撮影に使われたキングス・クロス駅に行くが、どうもそれらしい雰囲気が無い。大体、映画では地下鉄じゃ無かったぞ。と思ったら、地下鉄はキングス・クロス・セント・パンクラス駅であって、キングス・クロス駅は地上にあるようだ。地上に上って、キングス・クロス駅に向かう。日本と違い、ホームまで入れるようで、おかげで恐らくホグワーツ行きのホームへの入り口らしきところを発見した。



 夕食どうしよう?と聞いたが、嫁さんはお腹すいてないというので、私だけ近くのファーストフードでチキン・ケバブを頼む。スモールだというのに出てきたのはビッグサイズ。いやいや、これ、間違いだろ、と思ったのだが、私より後から来た青年は同じようなのを二つ頼んで食べ始めたのを見て納得。

 こりゃあ戦争やったら負けるわけだ。

 一旦ホテルに帰ったところで、嫁さんが小腹がすいたというのと、二人とも喉が渇いたというのとでパブに行くことにする。行き先は近いからシャーロック・ホームズ。フライド・チキンをつまみにビールを飲んで、すっかりほろ酔いの良い気分になって宿に戻ったのだった。

 翌日に続く。



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